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LAを拠点に国内外で活躍する唯一無二の俳優・桃井かおり(『SAYURI』(05)、『ゴースト・イン・ザ・シェル』(17))と、世界の巨匠から熱いラブコールを受ける個性派俳優・イッセー尾形(『沈黙ーサイレンスー』(17))の『太陽』(06)以来2度目となる豪華共演が実現した。
あることをきっかけに自分の殻に閉じこもってしまったケイコ(桃井かおり)。着物ショーに参加するために神戸を発ち、導かれるように北欧の地、ラトビアの首都・リガを訪れた。そこで、過去の震災で行方不明になっていた夫(イッセー尾形)と不思議な再会をする。
様々な場面で出没する夫、そして言葉も通じない異国の地での出来事に翻弄されるケイコ。愛する人を失くした男女が、すれ違いながらもめぐりあう、おとぎ話。
初の長編監督作「Loss」が2008年上海国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した、ラトビア出身マーリス・マルティンソーンス監督の新作。桃井かおりとは3度目のタッグとなる。”新しい北欧”として注目を集めるラトビアと日本の初の合作となる本作品は、”バルト海の真珠”と讃えられ世界遺産に登録された首都リガと、その姉妹都市にあたる兵庫県神戸市で撮影された。孤独を噛みしめながらケイコが食べた“おにぎり”と、美食の国として知られるラトビアの独創的な料理の数々がコントラストに登場する、まさに映画で旅する気分を味わえる。
不慮の事故により娘を亡くし、阪神・淡路大震災ですべてを失くしたケイコ(桃井かおり)は、自分の殻に閉じこもったまま1人淋しく神戸で暮らしていた。夫とともにレストランを開く夢も、完成間近だったそのレストランも、夫さえも失った彼女は、誰も守れなかったという罪悪感に今も苦しんでいるのだ。震災から20年の月日が流れ、そんなケイコに大きな転機が訪れる。ラトビアの首都リガで開催される着物ショーに参加することになったケイコは、亡き娘の結婚式用にあつらえた黒留袖を携えて神戸の地をあとにする。
“バルト海の真珠”と讃えられる美しい街リガで行われた着物ショーの会場には、“日本の伝統美”にあこがれる市民が詰めかけていた。舞台上で黒留袖姿を披露することになっていたケイコは、本番中の舞台裏で不思議な体験をする。震災で行方不明になっていた夫(イッセー尾形)が、彼女の前に突然現れたのだ。現実とは思えない出来事に戸惑うケイコは、ホテルやレストランにも出没する“夫”に邪険な態度をとり続ける。
翌日、料理好きなケイコは新鮮な食材が所狭しと並ぶ市場に足を運ぶ。そこでTVプロデューサーの目に留まったケイコは、料理番組の人気コーナー「クッキング・バトル」に出演することに。料理対決の前に収録されたインタビューで、ケイコは懐かしくもせつない食にまつわる思い出の数々を語り始めるのだった。
これを機に過去と向き合う力を取り戻したケイコは、その夜久しぶりに“夫”と穏やかな時を過ごす。自らの旅を通して、改めて自分が人生で大事にしてきたものを再確認することになる...。
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